定年退職後の生活には自由があります。そして、その自由をどう使うかによって、人生の後半が大きく変わります。今回ご紹介するのは、少し変わったが心惹かれる趣味――「酷道ドライブ」です。
酷道(こくどう)とは、道幅が狭く、舗装が不十分、あるいは落石やガードレールの欠如など、通常の道路とは違うスリルと自然を体験できる“酷”な国道のこと。実は、この酷道を車で走ることが一部のマニアや旅行好きに「最高の趣味」として親しまれています。
広島を中心とした中国地方には、初心者でも挑戦しやすい「入門者向け酷道」が複数存在します。本記事では、そうしたルートの紹介から、注意点、実際の楽しみ方まで、調べてみました、対象は私と同じ60代の男女になります。
是非この機会に情報を共有致しましょう。
そもそも「酷道」とは?
「酷道(こくどう)」とは、“国道”でありながら、整備状態が悪く、通行が困難な道を指します。これは正式な用語ではなく、インターネット上で生まれた愛称です。
そのまま読めば、ひどい道という事です、県道も別名、険道というのがあるらしいのですが、これままた別の機会に深堀していきたいと思います。
酷道の特徴:
- 幅員が極端に狭い(一車線以下)
- 舗装が不完全または劣化が激しい
- カーブが連続、見通しが悪い
- ガードレールのない崖沿い
- 山間部・渓谷に位置し、落石や倒木の危険
一見危険に思えるこれらの特徴ですが、それを承知の上で「走破すること」そのものがこの趣味の魅力。普通の観光ルートでは味わえない、達成感や自然との一体感が、特に時間と自由を持つ中高年層の心を惹きつけているのです。
一方で、ヤバいと思ったら、素直に引き返す勇気も捨てないで欲しいと思います。
なぜ定年後の趣味に「酷道ドライブ」が向いているのか?
- 時間に余裕がある:酷道は距離以上に時間がかかります。時間が取れる今だからこそ、余裕を持った計画が立てられます。
- 混雑を避けられる:観光バスや若者の車が少なく、静かに自然と向き合えます。
- 頭と体の両方を使う:ルートの下調べ、車の整備、走行時の判断力など、知的かつ実践的な活動です。
- 夫婦や仲間と楽しめる:共に地図を広げ、計画を立て、静かな道を進む体験は、共有する価値があります。
初心者向け 酷道ドライブに付いて考えてみる
メリット:非日常性の体験
- 自然との距離が近い:観光地では味わえない、手つかずの自然に出会える。
- 達成感がある:「この道を自力で走った」という経験が自信になる。
- 費用が少ない:宿泊や有料施設に頼らず、車一台あれば始められる。
デメリット:危険もある事を認識する
- 危険性がある:道の崩落、落石、滑落事故など、注意が必要。
- 通信が圏外になる場所も:スマホのナビが使えないケースがある。
- 故障・トラブル時の対応が難しい:JAFが到着するまで時間がかかることも。
中国地方(広島中心)の入門者向けおすすめ酷道5選
① 国道488号線(三段峡〜温井ダム)
- 距離:約12km(推奨区間)
- 特徴:全線舗装だが、1.5車線で見通しの悪いカーブ多数。
- 見どころ:三段峡渓谷、ダム湖の静けさ。
② 国道314号線(比婆山〜奥出雲)
- 距離:約20km
- 特徴:走りやすいが、峠部分に冬季閉鎖あり。
- 見どころ:比婆山の森林と清流。
③ 県道112号線(北広島町〜瑞穂)
- 距離:25km
- 特徴:道路状態良好、一部狭小区間あり。
- 見どころ:里山風景、棚田。
④ 国道433号線(安芸高田〜江の川沿い)
- 距離:30km
- 特徴:ガードレールが少ない。要注意。
- 見どころ:川沿いの絶景。
⑤ 国道191号線(益田市〜浜田市)
- 距離:40km
- 特徴:長めだが初心者におすすめ。路面安定。
- 見どころ:中国山地を一望。
酷道ドライブを始めるには?初心者が準備すべきこと
何から始めたらよいか?
- 軽自動車またはコンパクトSUVの用意
- ジムニー、タフト、N-BOXなどが取り回しに優れています。
- オフライン地図アプリをダウンロード
- 山間部ではスマホのナビが使えなくなることもあります。
- 必要装備を整える
- 懐中電灯、携帯トイレ、モバイルバッテリー、予備燃料、簡易工具など。
- 天気予報と通行情報を事前にチェック
- 国土交通省の道路情報サイトや、県の土砂災害情報が参考になります。
- 慣れた人との同行もおすすめ
- 初心者がいきなり一人で挑むのは避け、経験者と同行するのが安心です。
実際に走ってみた!60代男性友人に聞いてみた
「最初は緊張しましたが、少しずつ慣れてきて、今では毎月の楽しみになっています。とにかく静かなんですよ。車のエンジン音だけが響く中で、鳥のさえずりや風の音が聞こえる。こんな場所が広島にあったのか、と感動しました。」(65歳男性・広島県)
「退職後、夫婦で一緒に走るようになりました。道中で見つけた小さな神社に立ち寄ったり、地元の直売所で野菜を買ったり。観光旅行とは違う、自由な旅を楽しんでいます。」(62歳女性・山口県)
安全面の注意点:これだけは知っておきたい5か条
- 通行止め情報を事前に調べる
- 車の整備を怠らない(特にタイヤ・ブレーキ)
- 燃料は早めの給油を心がける
- 悪天候時は中止する勇気を持つ
- 必ず家族に行き先を伝えておく
まとめ:「酷道」は趣味として楽しめるのか?
結論として、「酷道ドライブ」は定年後の趣味として非常におすすめできます。自由な時間、体力、そして新しいことに挑戦する意欲があれば、誰でも始められます。
もちろん危険も伴うため、計画と準備が大前提ですが、それすらも含めて「旅の一部」。少しの緊張感と多くの感動があなたを待っています。
次のステップ:地図と写真で始める「マイ酷道ノート」作り
酷道に出かけた記録を残す「酷道ノート」を始めてみませんか? 地図に走行ルートを記入し、季節ごとの写真を添えていくことで、趣味が“自分だけの旅の記録”として形になります。
今後は、ルートごとの走行動画や、車載カメラからの風景キャプチャなども活用することで、ブログやYouTubeへの発信にもつながります。
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