「定年後に選んだ立体駐車場係で見た絶望の人間模様」

定年後の人生、あなたはどう過ごす予定ですか?
「もう一度働いてみようか」と考える方は少なくありません。年金だけでは不安、社会とのつながりがほしい、健康維持のために体を動かしたい――理由はさまざまです。

私もそうでした。
多少給料が低くても、気楽に続けられる仕事があれば…そんな軽い気持ちで再就職を決めたのが、旧財閥系ホテルの立体駐車場係という仕事でした。

ところが現実は、想像をはるかに超えていました。
そこは「楽な仕事」の皮をかぶった、人間性をすり減らす底辺職場だったのです。

本記事では、私がこの仕事で過ごした地獄の2年間を包み隠さず語ります。
これから再就職を考えている60代のあなたにこそ、ぜひ知っておいていただきたい現実があります。

記事の目次(クリックでジャンプ)

これは「底辺職場」のリアルな体験記です

私は定年退職後、もう一度社会に出てみようと考えました。
理由は簡単です。完全リタイアしてもいいが、まだ体は動くし、少しでも社会との接点が欲しかった。

そこで選んだのが、旧財閥系ホテルの立体駐車場係という仕事。
「旧財閥系」と聞けば、誰もが一流ホテルを想像するかもしれません。
ですが実際の職場は、実際には3つ星クラスのビジネスホテル、ホテルが直接雇用しているわけでは無く、その部分だけ外部業者に委託している、そんなところです。

何故かというと、委託した方が有利な所が多いのだと思います。私が入ったのは委託業者になります。
担当したのは機械式立体駐車場の誘導・操作です。

実際には出入館の管理などもややる様に言われました、本来施設警備である1号警備員の職域を無資格の駐車場係にやらせているという、コンプライアンス丸無視の会社ではありました。

軽く考えて選んだ「楽そうな仕事」は、やがて私の考え方を大きく揺るがすことになります。
これは、生まれて初めて体験した底辺職場のリアルな記録です。

見えてきたのは、底辺層の「働く現場」

職場は大きく2つの班に分かれていました。

  • 私たち立体駐車場係(8時〜17時)
  • 施設警備員(25時間勤務の宿直制)

この施設警備という仕事には、驚くほど多くの若い社員が含まれていました。
最初は「どうして若者がこんな仕事を?」と不思議でしたが、
話してみると、驚くほど無気力で、努力を放棄したような人たちの集団だったのです、そして彼らの多くは不幸にも高卒でした。

彼らの多くは、「ここでしか働けない」「何も考えていない」「どうせどこも同じ」「給料安いけど楽だから」と口をそろえます。
現場全体に漂うのは、諦めと惰性に満ちた空気でした。

聞いてみると夜勤があるのでその手当で人並みの給料をもらっているタクシー運転手の様な給与の様なのです、年金などは基本給の2割を社会保険として計算し積み立てていきますが、基本給が少ないという事が将来どんなことになるのか考えているのでしょうか。

働いていないよりはましではありますが、、、。

シフト制の恐怖:人間性を失うスケジュール

この職場のもう一つの大きな特徴は、シフト制の勤務体制です。
一見すると便利そうに思えるこの制度ですが、実態はこうです:

  • 2日働いたら1日休み
  • 3日働いたら1日休み
  • 連休が一切ない
  • 休みは2週間前にやっと決定
  • しかし一週間の内2日は休むから週休二日制である?

つまり、旅行の計画などは立てようがありません。
盆暮れ正月も関係なし。 それが底辺職場の現実でした。

しかも、突然の出勤変更もあります。「○○さんが熱を出したから、明日代わりに来てくれ」

つまるところ、会社は常に開いていて自分が休むときは代わりの人が仕事をしているという何ともいただけない仕組みだったのです。

今までの会社勤務のように工場、事務所は一斉に休むというメリハリ感は皆無です、警察とか自衛隊の様なサービス業の様な体でした、それが悪いという事ではありませんが、最初から利益目的でやらないので国が運営している後者と、民間がやっている警備系の仕事、もうかりにくい体質の仕事だとはいえると思います。

さらに、仕事の内容について、もちろん世の中にはそういったサービス業は存在します、例えば放送局だってそうでしょう、でもこちら警備系はただの単純作業&時々肉体労働、自分で考えずに、すべてマニュアル通りに行動することが求められる、くだらなさの度合いが違います。

立体駐車場の操作なんて、発展途上国なら中学生がやるような単純な仕事です、別にあなたじゃなくてもいい仕事なんです。

マウントを取る若い上司と、挨拶できない同僚たち

働く上で最もショックだったのが、職場の人間関係の低さです

まず、若い上司たちがとにかくマウントを取りたがる。彼らの興味の対象がまず他人との比較、自分の現在置かれている位置、動物園のサル山をいつも思い出していました。

自分より年上の再雇用者にも平然と命令口調で接し、こだわる内容は「自分のやり方と手順」自分がやっている考え方手順で行動することを半ば強要するイメージでした。

「そんなのも分からないんですか?」と小馬鹿にしたような態度をとる。

また、同室の警備員たちの中にはまともに挨拶する習慣も無い人間も多く、感情の起伏が手に取る様にわかる人達ばかりでした

「おはようございます」と言っても無視されることが珍しくありませんでした。

こういった社会人としてのマナーは新卒で入った時に新入社員研修でみっちり叩き込まれるのが普通です、もちろん私もそういった経験がるのですが、今までまともに教育された経験も無いものと容易にわかり少し哀れにも感じたのでした。

社会人としてのマナーが完全に欠落しているのです。

強要されるカンパ、無意味な契約更新

職場には、意味不明な習慣がありました。

例えば、誰かが辞めるたびに行われる送別費のカンパの強要
さらに、知り合いでもない社員の葬式費用のカンパが回ってきます。

一人500円ずつ集めて記念品を渡そうと思うんだけど、渡すのなら個人で購入して渡すのが普通だと思っていました。

結局どのくらい金額が集まり、どのように使ったのか、会計報告すら当然ありません、少しうがった見方をすれば、好きなものに好きなように使える裏金を作っているとみれます。私が退職する時は何ももらえませんでしたからね。

職場の仲間内から金を集めて何かをするとか、社会人になってから初めての経験でした。

契約は1年単位、半年単位

これは、大学時代の先輩にも聞いてみるとこれが普通だといわれました。高齢になると半年単位の契約になるようです、冗談でいつ死ぬかわからないからと笑っていましたが、、。ある意味仕方のない事なのでしょう

私は1年ごとに契約を結ぶ形態で、契約書には希望すれば契約を継続することを考慮することもあると、高飛車な文言も書かれていました。

私は2年間勤めた後、3年目の契約書を渡されましたが、
契約を更新しないと伝えると、会社側の総務担当が本気で驚いていたのです。

まるで「辞める選択肢があると思っていなかった」かのような反応でした。

私は1年目・2年目契約書に捺印し、3年目はお断りしました、契約期間は無遅刻無欠勤で契約終了後は失業保険を無待機でもらうことが出来ました。

個人の感想ですが、1年契約の再雇用制度は仕事の練度を期待しなてないという事と受け止めればよいのではないでしょうか、全くもおかしなものに感じました。

分からないように変な事をしている人達

会社から支給される交通費ですが、会社に申請している通勤場所、通勤方法を改ざんして申請後は別のもっと近くから通勤して交通費横領そ10年以上続けている人達もいました。

ご存じのように、交通費は非課税対象です、それを交通費用ではなく一般消費として使用することは脱税行為になります、というより、こういった公正さに欠ける行為が私は大嫌いです。

10年以上も続いているのは会社側にも脱税幇助としての責任があるのではないでしょうか。

とにかく、今までのサラリーマン生活で見たことも聞いたことも無いようなことがあって、私にとって全く受け入れる事の出来ない世界があったわけです。

どうしてこんなことになったのか

「楽な仕事」は「誰でもできる、やりがいの無い仕事」

定年後の仕事選びで、対して稼げないだろうし、今までの様な仕事のストレスやプレッシャーを感じたくないと思いました。

「体が楽そうな仕事」を仕事選択の基準にしていました。

しかし、それが大きな誤りだったと今では痛感しています。

なぜなら、簡単な仕事=誰でもできる仕事なのです。
つまり、あなたである必要がない。やりがいが無い。評価されない。

数字で見れば明らかです。
ある厚生労働省の統計では、**再雇用者の7割が「仕事内容に満足していない」**と回答しています。
理由の多くが「仕事にやりがいがない」「待遇が悪い」「人間関係が希薄」です。

あなたじゃないと出来ない仕事、あなたが必要とされる仕事、理想論ではありますが、逃げてはだめだという事なのです。

「底辺者にも責任はある」という現実

私が痛感したのは、こういう底辺職場で働く人々の中にも、
自らその状況を選び続けてしまう責任があるということです。

  • 努力をしない
  • 学ぼうとしない
  • 状況を変えようとしない

今動かないといけない時でも、じっとしている恐ろしいほどの行動力の無さ、現実から逃避して自分の世界に閉じこもってしまう閉鎖性を感じてしまうのでした。

こうした態度が、「ここでしか働けない」という現実を作っているのです。

同時に、こうした人々を使い捨てにするような、
底辺者を食い物にする企業が存在することもまた事実です。


定年後の仕事選びで絶対に知っておくべきこと

ここで、定年後に再雇用を考える方々に、私からのアドバイスを記します。

1.「楽な仕事」は長続きしない

単調でやりがいが無いと、精神的に疲れます
楽かどうかではなく、「自分の経験が生きる仕事か」で選んでください。

2.人間関係は予想以上に重要

どんなに楽な仕事でも、毎日一緒に働く人が無気力・無礼だと地獄です。
面接の段階で、職場の雰囲気をしっかり見極めましょう。

3.勤務形態の確認は必須

シフト制の場合、連休の有無・休日決定時期を必ず確認してください。
「自由時間がある」とは限りません。

4.給料だけで選ばない

多少高くても、精神的な充実感や尊重される環境のほうが人生の満足度は上がります。

底辺職場の実態を知り、自分の選択を見直そう

この2年間で私は、底辺職場のリアルな現場を体験しました。

  • 人間関係の劣悪さ
  • 予定の立てられないシフト
  • やりがいの無い仕事
  • 社会の底でくすぶる空気

自分の過去の選択が甘かったこと、
そして、そんな場でもがく人々を冷静に見つめ直すきっかけになりました。

「こんな職場しかない現実」を作っているのは、私たち自身でもあるのです。

2年間働き続けた理由

最後に、こんなとんでもない底辺職場に2年会無遅刻無欠勤で働き続けたのはなぜかという事をお話ししてこの記事を締めくくります。

毎日嫁が弁当を欠かさず作り続けてくれた

毎日、欠かさず作り続けてくれました、それと同時に今までのお金の使い方を反省して、どこまで支出を絞れるのかチャレンジして見る事にしました。

現役時代は、何に使ったか良くわからないお金が毎月10万円位クレジットカードから引き落とされていましたが、意識するようになって、1日で使うお金が休憩中の炭酸水だけとか、限りなくゼロに近づけるようになりました。

生活習慣として、コンパクトな保温ボトルにお茶を入れて持参したり、退職までにそういう意味での倹約習慣を身につけたことは唯一のプラスといえます。

お金を使わない習慣は新しく作れるものだと思いますし、援助してくれた嫁のは感謝をしています。

だからこそ、定年後の仕事選びは慎重に。
そして、誇りを持てる仕事を選んでください。
あなたの人生の最後のステージを、「ここでよかった」と思えるように。

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