年金の繰り上げ受給を考え、63歳で年金事務所へ相談予約しました
「繰り上げ受給って、実際どうなんだろう?」
そんな疑問を持ち始めたのは、定年後の2年間再就職した後の62歳になった春のことでした。
こんなくだらない仕事をしながら65歳まで待つのは人生の浪費ではないかと思うようになりました、それぐらい私が定年後に就いた駐車場係という仕事は自分にとってあまりにくだらない仕事に思えたのです。
しかしながら、退職後の生活にはある程度慣れたものの、将来の資金計画に漠然とした不安もありました。
定年後に仕事を辞めるとまず出てくる問題は、定期収入が無くなるという問題です、それを補うためにハローワークなどに行って仕事を探すわけですが、これがあまりに低賃金で、くだらない仕事の多い事、、。
定期収入の為にくだらない仕事をして、残された時間の浪費をするのではなく、年金などで定期収入を得た後に、必要ならばアルバイトやそのほかの副業を考えるという方が、残りの人生楽しめるんじゃないかと考えたわけです。
私たちの世代は、日本が一番元気だったバブル期を知っている世代なんですよ、こんなくだらない終わり方は絶対嫌だと思いましたね。
そこで、年金の繰り上げ受給を検討し、年金事務所に相談予約をしてみる事にしました。
繰り上げ受給とは?65歳を待たずに年金をもらう選択
今回はその体験をもとに、同じように年金受給に悩む60代の方々に向けて、
・繰り上げ受給の基礎知識
・年金事務所で聞くべきこと
・持っていくもの
などをわかりやすく整理した記事として私がやった事をそのまま書いたつもりです。
何か参考にでもなれば幸いに思います。
さて、繰り上げ受給とは何ぞや
「繰り上げ受給」とは、本来の支給開始年齢である65歳より前に年金を受け取る制度です。
具体的には、60歳から65歳未満の間に申請すれば、早めに年金をもらうことができます。
ただし、繰り上げには注意点があります。
早くもらい始めるのでその分支給額が減額されます、さらに、一度繰り上げをすると、「取り消し」はできません。
要は一度決めたら変えられないよという事なんです。
こんなこと言われると、慎重になってしまいますが、それだけに、しっかり相談して疑問点を綺麗にしてから決めれば良いと思いました。
▼繰り上げ受給のメリットとデメリット
内容 | メリット | デメリット |
---|---|---|
金銭面 | 早く年金を受け取れる | 一生涯、受給額が減る |
精神面 | 金銭的不安が減る | 長生きするほど損をする可能性 |
制度面 | 働いていなくても申請可能 | 加給年金や振替加算がもらえなくなる場合あり |
たとえば、63歳で繰り上げをすると、**本来の年金額から15.6%減額(0.4% × 12ヶ月 × 2年)**されます。
これは一生続く減額です。
正直なところ、「分かりにくい」これが私の第一感想でした。具体的にいくら減ったり増えたりするのか計算してみました。
減るっていくら?増えるって何円?
調べてみて分かった事ですが、ざっくり言いますと、0.4%とは約1,000円なんです、つまり、1カ月頑張って支給をを先送りすると1000円増える。1年で12,000円という訳ですよ
63歳でもらい始めるとなると、2年早めるので月々の支払いが2,000円少なくなるといった具合です。
本当に、ざっくりした言い方で叱られそうですが、何パーセントより、何円増えたり減ったりするのかが分かる方が、もし働くことになったとしてもモチベーションって上がりませんか?
今回のケースから言うと、早くもらう場合、1年で約12,000円の金額、その分が減額されるという仕組みになっているのです。
ところで、年金額の平均値は14万円なんだそうです、というと、「ワシは、企業年金があるから少し多いんだ」とか聞かれもしないのに自慢してくる情けない年配者もたくさんいましたが、そんな大差ありませんので気にする必要なんてないんじゃないかな、そう思うようになりました。
ちなみに、その老人に、そんなにたくさんもらえるなら、毎年海外旅行ですか?と尋ねたら黙ってましたね、まぁ、金があったら自慢しないとは思いますし、あっても、金の使い方が分からない、一緒に旅行に行く人も無し(当然、単独旅行もする能力がない)こんな老人になってはダメだと思います。
なぜ今、63歳で相談したのか?
理由は明確です。変な仕事をして人生を浪費したくない反面、無収入の期間を減らそう、「少しでも早く年金を受け取りたい」と考えたから。
でも、それ以上に、今の生活費や今後の健康状態を考えたときに「繰り上げ」という選択が現実的に思えたのです。
定期収入が無くなるという事は、預金が減って行くという事なんですが、減らさないために、効率の悪い、面白くもない仕事をして貴重な残りの人生を消費する事はやめようと考えたからなんです。
早く年金を受け取っておけば、預貯金の減りもゆるやかになります。
万が一病気になっても、金銭面の安心があると気持ちも落ち着きますよね。
それと、やりたいことを先送りにしないで、出来る内にやる、使える時に使う、そんな風に考える様になりました。
幸か不幸か、私はこれまでやりたいことは優先して行動してきました。しかし、加齢とともにめんどくさく思うようにもなって来ました。
出来るようになった時には、やりたく無くなっているかも知れないと、思うようになってきました。
「あぁ、ゴルフ行きたいな」とか、思った時が行けるチャンスなのかもしれません。
年金事務所に聞いておくべきこと【事前にメモ必須】
いざ年金事務所に行くとなったら、何を聞けばいいか迷う方も多いはずです。私がそうでしたから。
準備も無く、ただなんとなく行ってはダメです。
そこで、実際に私が用意した質問リストをご紹介します。
▼相談時に聞くべき質問リスト
- 繰り上げした場合、いくら減額されるのか?(月額・年額)
- 65歳以降との差額はどれくらいになるのか?(シミュレーション)
- 一度申請したら取り消せないか?例外はあるか?
- 健康保険や税金に影響はあるか?
- 配偶者や扶養家族に関する影響(加給年金の有無)
- 他の収入(パートやアルバイト)と合わせた場合の影響
この6つはぜひ押さえておいてください。
シミュレーションをしてもらうだけでも、具体的な数字が見えてきます。
年金事務所に持っていくもの【早見リスト】
相談当日は、持ち物にも注意が必要です。
忘れると受付できない場合もあるので、前日までに準備しておきましょう。
▼相談時の持ち物チェックリスト(早見表)
必須度 | 持ち物 | 理由 |
---|---|---|
★★★ | 年金手帳または基礎年金番号通知書 | 本人確認と照会に必須 |
★★★ | 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど) | 窓口での身元確認 |
★★☆ | 直近の年金定期便(ハガキまたは封筒) | 受給見込み額の参考にされることがある |
★★☆ | 印鑑(認印可) | 書類に押印する可能性あり |
★☆☆ | 質問リストのメモ | 聞き忘れ防止に役立つ |
※「なんも分からん」という人は、取りあえず上記のリストに従って持参して行けば安心。
※マスク着用や本人以外の代理相談についても注意が必要な場合があります。
63歳での繰り上げ受給は本当に得か?損か?
よく聞かれるのが「早くもらう方が得ですか?損ですか?」という質問です。
正直なところ、**「寿命による」**としか言えません。
一番肝心なところなのに、そういう事なんですよ。長生きした方が得する制度という事なんでしょうかね。
ただ、人間という物、40歳と70歳と90歳では全く行動パターンも、必要とするものも違うという事なんですね、例えば40代の時に、20万円/月貰えたら、かなり嬉しいですよね、80歳ではどうでしょうか?贅沢な海外旅行でも行きますか?孫にお小遣いでもあげますか?
何が言いたいかというと、所得する年代によって実ははお金の価値というか、有効性、有難みが変わる事があるという事なのです。
以上の心理的な内容は置いておき具体的な金額についても調べてみました。
たとえば、以下のシミュレーションを見てください。
▼63歳で繰り上げ(15.6%減額)した場合の収支例
年齢 | 年金を受け取る累計金額(仮に本来年金が年120万円の場合) |
---|---|
70歳 | 約609万円(63歳〜70歳の7年間) |
75歳 | 約969万円 |
80歳 | 約1,329万円 |
85歳 | 約1,689万円 |
90歳 | 約2,049万円 |
※65歳から受給した場合は、70歳時点で約600万円の受取。
→ 約77歳が損益分岐点になります。
「77歳以上生きるなら、繰り上げしない方が得」というのが計算上の結論です。
でも、今すぐにお金が必要な人には、早くもらえるメリットは大きいですよね。
実際の年金事務所の雰囲気は?
参考までに、年金事務所の雰囲気にも触れておきます。
「年金事務所って堅苦しいのかな?」と思っていましたが、
案外、普通の相談窓口のような雰囲気でした。
完全予約制で待ち時間も少なく、
担当の方も親切に対応してくれました。
ただ、混雑する時期(年末や年度末)は予約が取りにくいため、
早めの連絡をおすすめします。電話でもネットでも予約できます。
✅相談時に聞くべき質問リスト【早見表】
当日、私が持って行ったリストも公開しておきます。必要ならコピーして使って下さい。
番号 | 質問内容 | 解説 |
---|---|---|
1 | 63歳で繰り上げた場合、受け取れる年金額はいくらですか? | 年額・月額どちらも確認し、減額後の金額を具体的に把握しましょう。 |
2 | 繰り上げをすると、65歳からの本来の受給額とどのくらい差がありますか? | 受け取り総額がどう変わるか、損益分岐点もシミュレーションしてもらえます。 |
3 | 一度繰り上げ受給をすると、取り消すことはできますか? | 原則できませんが、特例条件がある場合も。必ず確認を。 |
4 | 加給年金や振替加算は、繰り上げ受給でも受け取れますか? | 配偶者のいる方はとくに重要なポイントです。 |
5 | 繰り上げ受給後に働くと、年金は減額されますか? | 在職老齢年金制度との関係、収入制限があるか確認しましょう。 |
6 | 繰り上げ受給をすると、健康保険料や介護保険料に影響はありますか? | 年金収入により国保料や介護保険料が変わる場合があります。 |
7 | 繰り上げ後の年金支給日はいつからですか? | 申請から初回受給までのタイムラグを把握しておきましょう。 |
8 | 繰り上げするか迷っている場合でも、予約して相談して大丈夫ですか? | 多くの人が迷って相談に行くので、心配無用です。相談だけでも歓迎されます。 |
📝補足:質問は紙にメモして持っていこう
相談の場では緊張して聞き忘れることも多いです。
このリストを紙に印刷したり、スマホに保存しておくことで、落ち着いて話を進めることができます。
また、担当者から出た数字や説明も、その場でメモを取ると後でじっくり振り返ることができます。
まとめ:63歳で動き出したことで安心感が生まれた
年金の繰り上げ受給は、人生後半の生活設計において大きな分岐点です。
減額されるからダメ、という単純な話ではなく、
「自分の生活と健康に合った選択かどうか」が何より大切です。
私自身、63歳で一度立ち止まって、
年金事務所で相談したことで、考えが整理できました。
■現在63歳のあなたへ
「もらうか、待つか」の迷いは当然です。
だからこそ、一度専門家の話を聞いてみることを強くおすすめします。
少しの行動が、将来の安心につながります。
どうか、この記事があなたの一歩になれば嬉しいです。
コメント