コストコをやめようかと考え始めた60代へ

―「お得」より「心の満足」を選ぶ時代に―

コストコの会員をやめようか悩む60代が私の周りでも確実に増えています。
以前はワクワクした倉庫型ショッピングも、今では人混みと無駄買いで疲れるだけ。

最初にお断りしておきますが、単にコストコをディスる為の記事ではありません。

本記事では「コストコを卒業するメリット・デメリット」を60代の視点から正直に語ります。
大量消費から“心のゆとり”へ――今、暮らしを見直してもいいのかなと思ったのはなぜか?

会員になって10年経った今、少し深く考えてみる事にしました。

記事の目次(クリックでジャンプ)

■ あの頃のワクワクが薄れてきた

コストコに初めて足を踏み入れた日の感動、今でも覚えている人は多いと思います。
巨大なカート、見上げるほど積まれた段ボール、そして海外感あふれる商品たち。
まるでアメリカのスーパー映画のワンシーンのようでした。

家族で出かけ、ホットドッグを食べながら休憩し、
「これ買おう」「あれ試そう」と盛り上がった日々。
あの頃のコストコは、単なる買い物ではなく“ちょっとしたレジャー”でした。

ところが、年月が経ち、子どもも独立し、夫婦ふたりの暮らしに変わると、
あのワクワク感が少しずつ薄れていくのです。
「もうだいたい買った」「新しい発見がない」「同じような人混みで疲れる」――
そんな思いが胸の奥に積もっていきます。

■ コストコに感じる「疲れ」の正体

60代というのは、モノよりも時間や心の快適さを重視する年代です。
かつてのように「お得感」だけで行動できない。
欲しいのは“便利さ”や“質”よりも、“心地よい買い方”なのです。

それに最近は、コストコの店内や駐車場でのマナーの悪化も耳にします。
混雑する週末、横入り、試食の取り合い、駐車場でのイライラ…。
「以前より客層が変わった」「落ち着いて買えない」と感じる人も増えています。

おそらく、私たちの感性が変わったのです。
買い物に“刺激”を求めていた時期から、
“静かで丁寧な暮らし”を望むように、自然とシフトしている。
それが「やめようか」と感じる理由の本質ではないでしょうか。

■ コストコをやめるメリット

1. 年会費からの自由

5,000円の年会費を払う以上、「元を取らなければ」と思ってしまう。
この心理が、知らず知らずのうちに“買わされる構造”を生んでいます。
会員をやめれば、その義務感から解放されます。

2. 無駄買いが減る

コストコは「これ、安い!」の誘惑が強い場所です。
しかしその“安さ”が、結果的に使い切れず、冷凍庫で化石化する。
やめれば、必要なものだけを冷静に買う消費リズムを取り戻せます。

3. ストレスの軽減

混雑、行列、駐車場渋滞…。
買い物に「疲労感」を覚えるようでは、本末転倒です。
静かなスーパーでゆったり買い物できるだけで、週末の心が軽くなります。

4. 生活スペースが広がる

大容量の商品を買い続けると、収納も冷凍庫もパンパン。
使い切る前に飽きたり、賞味期限が切れたり。
やめると、家の中も気持ちもスッキリします。

5. 地元とのつながりが戻る

コストコは便利ですが、地域との距離を少し遠ざけます。
地元の八百屋、魚屋、商店街――そうした“人の顔が見える買い物”を再発見するきっかけにもなります。

■ コストコをやめるデメリット

1. 特定商品が買えなくなる

輸入食品、ベーカリー、肉類、洗剤など、
「コストコでしか買えない」商品も確かにあります。
お気に入りがある人には痛手です。

2. 買い物そのものの“楽しさ”が減る

コストコは買い物以上に「行くことが楽しい場所」。
家族との会話や、友人とのシェア買いなど、イベント的な魅力があります。
それがなくなる寂しさも正直あります。

3. 一部商品はコスパが下がる

ガソリンや特定食材は、一般スーパーより安い場合もあります。
頻繁に利用していた人にとっては実質的な値上がりになるかもしれません。

4. 再入会に時間がかかる

退会後、同一名義・住所では12か月間再入会できません。
一時的な“お試し退会”のつもりでも、すぐ戻れない点は注意です。

■ 「やめる=後ろ向き」ではない

60代でコストコをやめるのは、決して否定でも消極的な選択でもありません。
むしろ、生活のステージが変わったことを自覚できた証拠です。

20代・30代の頃は、「いかに安く大量に買うか」が生活の知恵でした。
でも、今は「いかに気持ちよく暮らすか」がテーマになっている。
その価値観の変化に合わせて、買い物の形を見直すことは自然なことです。

■ 逆に、続けるという選択肢もある

一方で、「やめる」と決めつけなくてもいいと思います。
大切なのは“使い方”を変えることです。

たとえば、

  • 共同購入でシェアして使う
  • 行く頻度を年に数回に減らす
  • ネット通販や他店との比較を前提にする
    など、**“付き合い方を再定義する”**という発想もありです。

コストコは確かに生活を便利にしてくれる面も多い。
でもそれに縛られず、距離感を自分で調整する――
これが、成熟した消費の形ではないでしょうか。

■ 変わる社会、変わる買い物の価値観

近年、日本全体で「大量消費」から「持たない暮らし」へと価値観が移っています。
ミニマリズム、断捨離、サステナブルな生き方――
そうした流れの中で、コストコの“大量前提”のスタイルは
一部の層には合わなくなってきています。

特に私たち60代は、すでに多くのモノを持ちすぎている世代です。
だからこそ、「もう増やしたくない」「もっと軽く生きたい」という心理が強い。
コストコ離れは、そうした時代と心の変化を反映しているのかもしれません。

■ 退会して見えてくる「新しい豊かさ」

実際に退会した人の話を聞くと、興味深い声が多いです。

「冷凍庫の中身が減って、気持ちがスッとした」
「週末の買い物が30分で済むようになった」
「お金の使い方が丁寧になった」

つまり、やめることで“暮らしの余白”が生まれるのです。
時間・空間・お金・心――それぞれにゆとりが戻ってくる。
コストコの“卒業”は、実は“自由の再発見”なのかもしれません。

■ それでもコストコが教えてくれたこと

コストコに通った日々が、決して無駄だったとは思いません。
家族でカートを押して笑った日々、
友人とシェアして楽しんだ商品、
あれも確かに“幸せな消費の形”でした。

私たちはそこで「買う楽しさ」「人と分け合う喜び」を学びました。
だからこそ、いまそれを“引き算”していく勇気も持てるのです。

■ まとめ:卒業とは「新しいステージ」への一歩

コストコをやめることは、終わりではなく始まりです。
“モノを増やす楽しみ”から、“心を満たす生き方”へ。

やめたあとの生活は、意外なほど軽やかで穏やかになります。
そしてその穏やかさこそ、これからの人生で一番大切な“豊かさ”ではないでしょうか。

■ 最後に

60代というのは、人生の中でもっともバランスを見つめ直す年代です。
体力・時間・お金・人間関係――すべてが整理されていく時期。
だからこそ、コストコをやめるという選択も、
「節約」ではなく「生き方の再構築」として捉えてみてください。

私たちの暮らしには、
もう“量”はいりません。
必要なのは、静かに笑える“質”のある時間。

コストコの大きなカートを手放したあと、
あなたの手に残るのは、きっと「本当に大切なもの」だけです。

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