キャンプ沼に学ぶ:広さは正義じゃなかった話ーコンパクトな テントを買ってみた

広すぎる幸せ、寒すぎる現実──私のテント選びの失敗と学び

キャンプを始めた頃、私は「テントは広ければ広いほど快適だ」と、単純にそう信じていました。
家と同じで、広いほど居心地が良い。

そう思って購入したのが、ドーム型のツールームテント。

見た目も立派で、前室も広々。設営して中に入った瞬間、「これは快適だぞ!」と心の中でガッツポーズをしたのを覚えています。

確かに、春や秋の穏やかなキャンプでは最高でした。荷物を置いても余裕があり、寝室とリビングが分かれている構造は快適。

ところが──冬が来て、その広さが牙をむいたのです。

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広さは快適、でも「暖かさ」とは反比例する

冬の夜、キャンプ場の外気温は一気に下がります。
焚き火で体を温めて、いざテントに戻ると……そこはまるで冷蔵庫。

どれだけ暖房器具を使っても、なかなか温まらない。
室内の空間が広い分、温まるまでに時間がかかるのです。

「広さは快適だが、広さは冷たさでもある」
そのことを、あの寒い夜に痛感しました。

結局、寝袋に深く潜り込み、顔だけ出して眠るようなスタイル。
翌朝はテントの天井に霜がつき、吐く息も白い。

あの時、テントを選ぶ基準を「広さ」だけで決めた自分に、少し苦笑しました。

この動画ですが、何度見てもあの時の悪夢がよみがえります、寒かったし、とにかく悲惨でした。

私の失敗から学んだ、テント選びの3つのポイント

私が感じたのは、「テント選び=自分のキャンプスタイルを決めること」だということ。
つまり、どんなキャンプをしたいのか? 誰と行くのか? どんな季節に楽しみたいのか?
そこを明確にしないと、理想のテントにはたどり着けません。

ここで、あの“広すぎた冬の経験”を踏まえて、私がたどり着いたテント選びのポイントを紹介します。

・コンパクトですぐ暖まる小さなテント。前室も最低限あれば良い
・収納時にコンパクトになり持ち運びに便利な物
・通気性が良く、中に空気がこもらない、スカートが付いている物

テントは“自分の暮らし方”で選ぶ時代

最近は本当にテントの種類が多いですね。
ドーム型、トンネル型、ワンポール型、そしてソロキャンプ向けの小型テントまで。
それぞれにメリットとデメリットがあります。

① 季節と温度を想定すること

夏と冬では快適なテントの条件がまるで違います。

夏は通気性が命。メッシュ素材や大きな窓があるタイプが理想です。
一方、冬は保温性が最優先。小型で気密性の高いテントの方が断然有利です。

広いテントは空気の層が厚く、暖まるまで時間がかかります。
逆に、小型テントは人の体温や小型ストーブの熱で、意外とすぐに快適温度になります。
“広さ=快適”という単純な図式は、季節をまたぐと成立しません。

② 設営と撤収の「現実」を考える

ツールームテントの設営はとにかく時間がかかります。
慣れれば30分ほどでできるかもしれませんが、初心者やシニア世代には骨が折れる作業です。

まして、キャンプ場に着いたのが夕方近く。寒い中で暗くなる前に設営するのはなかなかの重労働です。

一方、ソロ用やワンポール型の小型テントなら、設営は10分もかかりません。
撤収も早く、撤収後のコーヒータイムまで楽しめる。

年齢を重ねていくと、この“手軽さ”が何よりの魅力に感じてきます。

③ 荷物のバランスを見直す

ツールームテントを使うと、自然と荷物も増えていきます。
「広いから置ける」という心理が働いて、ついつい椅子もテーブルも大型化。
気づけば車のトランクがパンパン。

一方、小型テントだと必要最低限の荷物に絞られる。
これは、キャンプを“シンプルに楽しむ”原点に戻れるという点で、大きなメリットです。

“小さなテント”がくれる、静かな豊かさ

最近は、コンパクトなテントの人気が高まっています。
特に中高年世代のキャンパーには、「気軽に出かけて、気軽に帰る」というスタイルがぴったり。

小さなテントの中で過ごす夜は、まるで自分だけの小さな秘密基地。
外の冷たい風を聞きながら、湯気の立つカップ麺をすする。


狭い空間だからこそ、体温と湯気が混ざって、ほのかに温もりが生まれる。
その感覚は、広いテントでは味わえない特別なものです。

テント選びは「見栄」ではなく「実感」で決める

キャンプを始めたばかりの頃は、どうしても見た目や装備の豪華さに惹かれます。
立派なテント、大きなタープ、立派なテーブル。

それが悪いわけではありません。

ただ、それらは「憧れ」から入ったキャンプスタイル。
一度やってみて、「実際どう感じたか」を元に見直すことが大切です。

私の場合、広すぎるテントの経験がなければ、“小さな快適さ”の価値には気づけませんでした。
見栄よりも体感。道具よりも居心地。
そのバランスが見えてくると、キャンプは一気に深みを増します。

これから買うならどんなテントか?

私なら、今は「2人用ワンポールテント」か「小型ドーム型テント」を選びます。

理由はシンプルで、設営が楽、暖かい、そして撤収が早い。
冬でも気密性が高く、テント内の空気が逃げにくい構造が多い。
最近のモデルは断熱素材やスカート付きなど、寒さ対策も進化しています。

また、タープを組み合わせることで、リビングスペースも確保できます。
小さなテント+タープという組み合わせが、実用性と快適性のバランスが取れた現代的スタイルだと感じます。

テントは“道具”ではなく、“居場所”になる

キャンプの魅力は、自然の中に「自分の居場所を作る」ことにあります。
その居場所が、広くても狭くても、心地よければそれで良い。

テントは単なる寝床ではなく、その人の生き方や価値観を映す鏡のようなものです。

大自然の中で、自分がどんな空間にいたいか。
それを考える時間こそ、キャンプの一番の楽しみかもしれません。

良いと思った点をまとめてみます。

  • 収納袋がコンパクトで車に積むときに場所を取らない点が助かる。
  • 内容については、インナーとフライシート、ポールが2本、アルミ製なので滑りが良くインナーシートのガイドに通しやすいです。
  • アルミ製のペグが付属していて、すでにそれぞれ紐が通してありますので親切だと感じました。
  • コンパクトではあるが、スカートが付いていてしっかりした作りの通気口が2箇所付けられていて、寒さ、暑さに対応しやすく感じます。
  • 前後に大きく開く開口部があり使い勝手がよさそうです、また、外観形状からロープをしっかり張れば風雨に強そうに見えます。
  • 内部はコンパクトながらコットを設置するスペースは有って地べたに寝なくて済みそうです。

まとめ:テント選びは“人生の縮図”

広いテントから学んだのは、「大きければ幸せとは限らない」という、どこか人生に通じる教訓でした。
人間関係も、住まいも、荷物も。年齢を重ねると、自然と“ちょうど良いサイズ”を求めるようになります。

キャンプも同じです。
背伸びをせず、自分に合った空間を見つける。広さや便利さより、「ちょうどいい温もり」を選ぶ感覚

小さなテントの中で静かにコーヒーを飲む時間は、豪華なキャンプギアよりも、ずっと贅沢なひとときです。



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